歌舞伎町で食べた二十年変わらない味
深夜、街の喧騒をBGMにここで出前を頼む日々
瓜田純士
2026.05.12
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たまたま入った店がとても懐かしかった。九州ラーメンは歌舞伎町の住人なら誰でも知ってる中華屋で、新田裏から花道通りに入ると一階にある店の赤い看板がお馴染みだ。
奥の席に座ると「スタミナ定食」を注文した。最後に訪れたのは二十年以上も前だが、その時もスタミナだった。というかこれしか頼んだ記憶がない。昔はこのビルの3階と6階に事務所があり、俺たちは駆け出しの若い衆で事務所によく待機していた。明け方酔っ払ったホストと客がよく喧嘩をしていて、窓から顔を出しては面白がって眺めていた。隣が駐車場で、そこで通行人が警察の職務質問に遭うのを見つけると、駐車場の方に身を乗り出しては
「シャブが出るぞ」と実況していた。
他にも当時怖かった先輩が事務所でみんなにカレーを振る舞ってくれることになったのだが、その先輩はお薬が効いていたせいで6時間も7時間も野菜を切ったり、何やら鍋の準備に手こずっていて、最終的に翌日まで掛かったという思い出がある。
さらに昔には抗争中に先輩が事務所で待機していたところ、階下の九州ラーメンでチャーハンと味噌ラーメンを頼んで待っているとインターホンが鳴り、念の為ドアスコープを覗くとオカモチを担いだ出前の兄さんが突っ立ってるのを確認してからドアを開けたら突如発砲される事件があったそうだ。